松花堂庭園・美術館のブログ(→こちら)でもご紹介しましたが、庭園内の秋の気配がより深まってきました。三連休も終わりましたが、これからまた日に日に彩り豊かになっていくと思うと、とても楽しみです!
とはいえ、朝晩はずいぶんと冷え込むようになってきました。息が白くなる日もありますね…寒さ対策はしっかりしながら、素敵な秋の日を楽しんでいきたいと思います。
前回のブログで、「能書」として知られた昭乗さんが、依頼を受けて清書した作品をご紹介しましたが、今回は全く違うタッチの「麗しき筆あと」をご紹介します。今回取り上げるのは、「十一月七日付小堀遠州宛書状」(個人蔵)です。
松花堂昭乗が、おそらく江戸にいるのであろう小堀遠州へ宛てた手紙と考えられています。これまでの研究から寛永15年(1638)に書かれたものとされており、手紙の最後に「十一月七日」と書されています。また手紙のスタイルは、「一」からはじまる項目が13ある、箇条書き(一つ書)形式で書かれたもの。読み進めてみると、昭乗が遠州の上洛を待ちこがれていることもわかります。
小堀遠州(1579~1647)は、豊臣秀吉や徳川家康らに仕えた大名でもあり、古田織部に茶を学んだ茶人でもありました。「遠州流」の祖として知られ、松花堂昭乗も彼に茶を学んでいます。そのため、昭乗と遠州は深い繋がりがありました。
江戸幕府の作事奉行なども務めていたため、京都に江戸にと忙しくしていた遠州ですが、男山で隠棲していた昭乗とは手紙のやり取りをしていたようですね。このような手紙をみると、江戸初期を代表する文化人たちの交流の一端をみることができて、少し楽しい気分になります。
この書状は、前回のブログでご紹介した「平等院勧進帳」とはまた違った雰囲気の字を書いています。その書き分けができるのも、昭乗が「能書」として知られた所以なのでしょう。どちらもそれぞれに味わいがあります。
明日は月曜日ですが、京都非公開文化財特別公開期間中のため臨時開館いたします!ぜひ昭乗さんの様々な筆あとをご堪能ください。ちなみに、前回と今回ご紹介した作品は、前期のみの展示となります。お見逃しなく!
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特別展「松花堂昭乗、書画のたのしみ-麗しき筆あと、愛らしき布袋-」HP→http://www.yawata-bunka.jp/syokado/event/#ev366
展覧会の感想や、美術館1階の布袋さんとの撮影コーナーでの写真など、ぜひ「#松花堂昭乗展」のハッシュタグをつけてSNSでシェアしてください!お待ちしております。
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