今日は立冬。「暦の上では冬といっても、お昼間はそんなに寒くないかな」と思っていましたが、夕方になってくると途端に冷えてきました。これからの時間帯は、冬らしく感じられますね。
今朝のSNSでもご紹介しましたが、松花堂庭園では椿の花が咲いていました。ずいぶんと膨らんでいる蕾もあり、冬の訪れを知らせてくれているようです。寒くなるのはちょっとつらいですが、綺麗な椿の花が咲き始めるのは楽しみですね。
さて、最初の作品紹介でご紹介をした「松花堂昭乗自画像写」(泰勝寺蔵)の展示は、明日までとなりました。明後日11月9日(木)からは、松花堂美術館所蔵の「松花堂昭乗自画像写」が展示されます。どうぞお見逃しなく!
今回のブログでは、「松花堂昭乗自画像写」(泰勝寺蔵)以来の絵画を取り上げたいと思います。ご紹介するのは「倭三景図」(個人蔵)です。
向かって左は「三輪の二本杉」、中央幅は「布留の岩橋」、右幅は「泊瀬の観音堂」が描かれています。描いたのは土佐光孚(1780~1852)で、賛を書すのは宙宝宗宇(1760~1838)です。
実は、この作品の隣には、同じ絵が三幅並んでいます。
この作品の左に展示されているのは、松花堂昭乗が描いた「大和三景図」(泉屋博古館蔵)です。着賛をしたのは江月和尚。昭乗と江月和尚の二人は、寛永15年に吉野へと旅をしました。その時に訪れた場所の風景を描いています。
今回取り上げている三幅は、それを写したもの。京都で絵所預を務めた土佐光孚は、松花堂昭乗に倣った作品をいくつも手がけています。当館所蔵の「眠布袋図写」もそのひとつ(今回の展覧会には展示されません)。また、通期で展示されている「墨絵花鳥松花堂好四角盆」(個人蔵)に描いたのも光孚です。土佐光孚は昭乗が生きた時代よりもずっと後の人物ですが、人物図や花鳥図、風景画など様々なタイプの絵画について、昭乗の絵を倣っていたことが知られます。
昭乗が描いた三幅と並べてみると、光孚が昭乗の絵をよく見ていながらも、ただ写していたのではないことがわかります。昭乗の良さ、光孚の良さのそれぞれを感じていただけるのではないでしょうか。
2点の三幅対を並んでご覧いただけるのは、11月19日(日)までです。光孚の「倭三景図」(個人蔵)は前期期間のみの展示となりますので、「昭乗と光孚、両方見たい!」という方はお早めにお越しくださいね。
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特別展「松花堂昭乗、書画のたのしみ-麗しき筆あと、愛らしき布袋-」HP→http://www.yawata-bunka.jp/syokado/event/#ev366
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