今日は11月11日。なんとも語呂のいい日付で、いつもよりもお菓子を食べたくなる気がしますね…!
さてそんな本日は、いくつか大きなイベントがありました。まずは11月11日11時から、2回目となるギャラリートークを開催しました。
京都非公開文化財特別公開や紅葉を楽しみに遊びに来ていただいていた方も含めて、みなさま興味津々で学芸員の解説に耳を傾けておられました。次回は18日(土)の11時より開催いたします。前期展示期間では最後のギャラリートークとなりますので、ぜひお聞き逃しなく!
そして13時30分からは、山口恭子氏を講師としてお招きして、松花堂昭乗研究所の特別講演会を開催しました。テーマは、今回の展覧会が初公開となる「和漢朗詠集」(個人蔵)についてです。
松花堂昭乗が書した「和漢朗詠集」と、その筆跡をもとに出版された巻子状や冊子状の「和漢朗詠集」について、その内容や制作された流れについてなど、例を示しながらとてもわかりやすくお話いただきました。聴講されていた皆さまのなかにも、何度もうなずいておられる方の姿がたくさん見られました。
その後は先生と一緒に展示室に移動して、実際に作品を見ながらお話を伺いました。先生に質問をする方もいれば、じっくりと作品に見入る方もいて、それぞれの方がとても真剣に作品に向き合っておられる様子が印象的でした。
12月3日(日)には、「松花堂昭乗、ピュアでキュートな書画のひみつ」と題して特別講演会を開催いたします。引き続き参加申し込みを受け付けておりますので、ご興味のある方はぜひお申し込みください!
それでは、今回も作品紹介をしていきたいと思います。今回はもちろん、「和漢朗詠集」(個人蔵)を取り上げたいと思います。
「和漢朗詠集」とは、朗詠(声に出して詠みあげること)されていた題のもと、漢詩句と和歌とを並べて書した歌謡集のことです。平安時代に成立し、多くの転写本が現存しています。昭乗が書した「和漢朗詠集」も複数伝来しています。
今回展示しているのは、元和5年(1619)に、橘成政なる人物の求めに応じて昭乗が書写したものです。この作品は長らく行方が知られていませんでしたが、このたび存在が確認されて、初公開にいたりました。
昭乗の筆跡をもとにして出版された「和漢朗詠集」の版本としては、慶安2年(1649)に刊行された冊子状のものがその後も版元を替えながら多く流通していますが、それと同じ年に巻子状の「和漢朗詠集」が模刻されたことが知られています。今回の講演では、展示されている元和5年に昭乗によって書されたものと、それを模刻して制作されたものとの関係性についてお話いただきました。
昭乗の弟子たちが手本とし、またその後、より多くの人たちが手に取ったであろう、昭乗の「和漢朗詠集」。先生のお話の中で ”昭乗さんからのバトンを受け取って” というお言葉がありましたが、まさに今回の展示ではそれを感じることができるのではないかと思います。
ぜひ長い時間を通じて受け継がれてきた昭乗の書を、展示室にてご堪能ください!
多くの方にお楽しみいただいている「京都非公開文化財特別公開」は、いよいよ明日が最終日。紅葉も日に日に美しくなってきています。皆さまのご来館をお待ちしております!
*今朝のTwitterのなかで、講演会タイトルに誤字があったため削除させていただきました。RTやいいねをしてくださった皆さま、申し訳ありませんでした。同じ写真を、こちらでアップさせていただきます!
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特別展「松花堂昭乗、書画のたのしみ-麗しき筆あと、愛らしき布袋-」HP→http://www.yawata-bunka.jp/syokado/event/#ev366
展覧会の感想や、美術館1階の布袋さんとの撮影コーナーでの写真など、ぜひ「#松花堂昭乗展」のハッシュタグをつけてSNSでシェアしてください!お待ちしております。
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