11月もそろそろ半ばに差しかかり、朝晩の冷え込みも少しずつ冬に近づいてきたように感じられます。その影響もあってか、紅葉も日に日に美しさを増してきました。今日は京都非公開文化財特別公開の最終日であり、日曜茶席・月釜会も開催されていたため、庭園内にも紅葉を楽しむ方の姿が多くみられました。
またあわせて美術館に足を運んでいただいた方もたくさんおられました。ありがとうございます!「同じ人が書いたと思えないほど、これだけ字を書き分けられるのはすごい」「布袋さんがかわいくて癒される!」というお言葉をいただくことも少なくありません。また、「これだけ松花堂の作品が並んでいるのをはじめて見た」というお声も。ぜひ、盛りだくさんの展覧会をお楽しみください!
それでは、今回も作品紹介をしたいと思います。今回取り上げるのは、「一休宗純像」(個人蔵)です。
描かれている一休宗純(1394~1481)は、「一休さん」の名でよく知られる人物です。室町時代の禅僧で、文明6年(1474)に大徳寺の住持となりました。現在の京田辺市にある「酬恩庵一休寺」は、鎌倉時代に建てられ、その後荒廃していたところを一休宗純が再興しました。一休の姿として多くの人が思い浮かべる「一休禅師木像」も当寺に安置されています。
松花堂昭乗と一休宗純はもちろん異なる時代の人物ですが、まるで本人を目の前にして描いたような雰囲気が漂う本図。作品を見ておられる方からも「本人を見ながら描いたのかな?」との意見が飛び出すほどです。実際には参照とする作品があったとされていますが、不思議なリアルさを感じさせるところが昭乗画の魅力ともいえるかもしれません。
本作品は、昭乗の友人でもあった佐川田昌俊の依頼で制作されました。佐川田昌俊は、酬恩庵の傍らに黙々寺を営んだ人物。一休への敬愛と、昭乗との友情と。そんな想いを感じることのできる作品となっています。一休さんの姿を通して、いろいろな想いを読み取ってみてくださいね。
本日で京都非公開文化財特別公開が終了したため、特別公開期間中のみの展示となっていた作品が14日(火)から入れ替わります。そして一週間後の19日(日)で、前期期間のみの展示作品がかわります。作品リストもどうぞご確認ください!(→作品リスト)
*****
特別展「松花堂昭乗、書画のたのしみ-麗しき筆あと、愛らしき布袋-」HP→http://www.yawata-bunka.jp/syokado/event/#ev366
展覧会の感想や、美術館1階の布袋さんとの撮影コーナーでの写真など、ぜひ「#松花堂昭乗展」のハッシュタグをつけてSNSでシェアしてください!お待ちしております。
0コメント