時代を越えて?!<作品紹介⑪>

ここ数日はぐっと冷え込み、冬の気配を感じるようになりました。お昼までもあまり気温が上がらないのはつらいところですが、急な冷え込みによって紅葉は一気に進んだようですね。京都の紅葉の名所は、多くのところで見頃となっているようです。もう紅葉狩りには行かれましたか??

松花堂庭園の紅葉も、かなり見頃となってきました。まだまだ青もみじもあるものの、きれいに色づいている木がたくさん!この週末は少しお天気が心配ですが、どうぞ暖かくしてご来園くださいね。


庭園の景色も綺麗ですが、美術館でも様々な美しいものを楽しむことができます。今回ご紹介するのは、昭乗の”麗しき筆あと”とその料紙。「三十六歌仙和歌色紙「若浦に」」(個人蔵)です。

なめらかな筆の流れで書されているのは、山部赤人の和歌です。昭乗の筆あとももちろん美しく、山部赤人の歌をより一層素晴らしい雰囲気に盛り上げているのですが、もうひとつ楽しめるのが、その料紙です。

俵屋宗達による下絵と目されるこの料紙は、金泥を用いて松林を、銀泥によって白波をあらわしています。いまでも十分美しいですが、きっと昭乗が和歌を書した当時はもっともっと美しかったのでしょう。今とはまたちがった魅力をはなっていたのでしょうね。そして、和歌と料紙がうまく呼応しあっていて、見ていてとても心地よい雰囲気を醸し出しています。


山部赤人の歌を、昭乗の筆あとと、宗達によると考えられる下絵が盛りたてる…時代を越えたコラボレーションが、現代の私達を楽しませてくれています。なんとも素敵な関係性だと思いませんか??

こちらの作品も、御覧いただけるのは19日(日)まで。前期展示期間も残り2日となりましたので、どうぞお見逃しなく!

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特別展「松花堂昭乗、書画のたのしみ-麗しき筆あと、愛らしき布袋-」HP→http://www.yawata-bunka.jp/syokado/event/#ev366

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松花堂昭乗、書画のたのしみ  -麗しき筆あと、愛らしき布袋-

市制施行40周年記念・開館15周年特別展の特設ブログです。 展覧会情報や展示作品紹介など、様々な情報を発信していきます。

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