11月もいよいよ終盤に差し掛かってきました。途中曇ったりもしましたが、今日は朝から青空が広がっていて、見頃を迎えた紅葉が彩り美しく目に映ります。松花堂だけではなく京都、そして各地で紅葉が色づいている今日このごろ。カメラを持ってお出かけされた方も多いのではないでしょうか??
美術館では昨日展示替えをおこない、本日より後期展示がスタートしました。ということは、展覧会も後半戦。会期終了まであっという間です!どうぞお見逃しないよう、ご来館くださいね。
では、後期展示期間最初の作品紹介にまいりたいと思います。今回取り上げるのは、「寒山拾得図」(個人蔵)です。
寒山拾得とは、中国唐代の伝説の二人の僧のこと。岩に向かって筆を掲げるのが寒山、岩の表面で墨を磨るのが拾得です。寒山拾得は画題として好まれ、松花堂昭乗にとどまらず多くの絵師が描いています。また描かれ方もいろいろで、寒山が巻物を、拾得が箒を持つ姿もたくさんみられるパターンとなっています。
本作品については、中国の絵師・牧谿のものと伝わる作品の系統を参照したと考えられており、昭乗が中国画に学んでいたことが知られます。昭乗が中国画学習をしていたことについては、この作品だけではなく、様々な作品から指摘がされています。
別々の掛軸に描かれているにもかかわらず、寒山と拾得のあいだには、会話があるようでもあり、無言のようでもあり…。展示室の中で多くの作品に囲まれていながらも、どこか二人だけの空間が作られているように感じられます。寒山と拾得の二人が醸し出す独特の空気を、ぜひ展示室で感じてみてください。
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特別展「松花堂昭乗、書画のたのしみ-麗しき筆あと、愛らしき布袋-」HP→http://www.yawata-bunka.jp/syokado/event/#ev366
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