いよいよ12月がスタートしました。2017年もあと1ヶ月。悔いなく、楽しく過ごしていきたいですね。やり残したことがないように、1日1日大事に過ごしていきたいものです。
特別展「松花堂昭乗、書画のたのしみ-麗しき筆あと、愛らしき布袋-」もあと10日!長い期間だと思っていましたが、残り少なくなってきました。そう思うと、ちょっとさみしくなります…が、少しでも昭乗さんの作品の魅力を発信していきたいと思います!
今回の作品紹介で取り上げるのは、「布袋図」(細見美術館蔵)です。
トレードマークである袋にもたれかかり、にっこりとこちらに笑いかける布袋さん。昭乗が描く布袋さんに特徴的な、見ているこちらまでが微笑んでしまうような可愛らしさが全面に出た作品となっています。
さて、昨日のブログの中で、昭乗の友人であった佐川田昌俊の言葉をご紹介しました。実は、昨日の言葉には続きがあります。それは、「人形(ひとがた)を図(うつ)すに眼(まなこ)動くに似たり」というものです。
この可愛い布袋さんは、よくよく見ると、いろいろな工夫がされていることに気が付きます。右目の濃墨の部分は線で描かれているのに対し、左目は点状。上衣の袖の色は、左よりも右が少し濃くなっています。また、右手を前にして組んだ腕に乗せる顔は、やや右に傾いています。このほかにも、眉や耳、額の皺…何気なく描かれているような細かいパーツに様々な特徴が見い出せます。(展示室ではなかなか細部まで見えないかもしれませんが、廊下展示で拡大してご紹介しています!)
これらの特徴によって、布袋さんは少し右手前に身を乗り出しているように見え、さらに目の描き方から、左右の瞳が動いているような感じもします。佐川田昌俊が評した「眼動くに似たり」とは、まさにこの布袋さんのようなものを指すのでしょう。
日本の美術作品の中には、どの角度から見ても作品と目があっている…という特徴を持ったものがいくつもあります。でもこの「布袋図」は”八方睨み”なのではなく、画面の中から笑いかけてくれています。布袋さんと向き合っていると、いつの間にか見ている私たちも笑顔になっているかもしれませんね。それが、また昭乗画の不思議なのかもしれません。ぜひ、そんな不思議な世界を楽しんでくださいね!
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特別展「松花堂昭乗、書画のたのしみ-麗しき筆あと、愛らしき布袋-」HP→http://www.yawata-bunka.jp/syokado/event/#ev366
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