平面なのに立体的?<作品紹介⑮>

今日は11月の最終日。明日からは12月!だんだんと、年末が近づいてきましたね。SNSでもご紹介をしていますが、庭園の主役もそろそろ紅葉から移りつつあるようです。まだもう一息楽しめるものの、日に日に紅葉が足元を彩るようになってきました。「まだあまり楽しめてない!」という方は、どうぞお早めに!


一方、特別展の展示期間も終わりに近づいてきました。作品紹介ブログも残り少なくなってきました…ラストスパート、更新していきたいと思います!今回取り上げるのは「茄子図 松花堂画寄合賛絵巻のうち」(個人蔵)です。

松花堂昭乗が花鳥や人物を描き、そこに様々な人物が着賛した「松花堂画寄合賛絵巻」。八幡名物としても知られるこの絵巻は、昭和期に分断されて掛軸装となり、諸方に所蔵されています。この「茄子図」もその一つです。

ぷっくりとした茄子が枝になっている様子を描いたこちらの作品。墨の濃淡と一部に青墨を用いて描かれるこの茄子は、平面にもかかわらず、その重みや円味をありありと感じることができます。茄子からその周りに目を転じると、茄子がぶら下がっている葉には少しずつ濃淡の違いがみられ、それによって奥行きが感じられるようになっています。じーっと見ていると、まるで立体図のようにも見えてきます。

昭乗の友人で親交の深かった佐川田昌俊という人物は、昭乗の絵を評して「梅花を画くに、匂いあるがごとく」と述べています。描かれているものから五感を刺激されるような…目の前に茄子があり、そのツヤを感じ、重みを感じることができる。昭乗の絵は、どこかそんな不思議な力を持っているようです。


こちらの作品については、廊下展示でもご紹介しています。またさらに詳しい解説は、展覧会図録にも掲載されています。昭乗の絵から感じられる不思議な感覚の正体とは??ぜひ展示室で、じっくりと向かい合って、感じてみてくださいね。

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特別展「松花堂昭乗、書画のたのしみ-麗しき筆あと、愛らしき布袋-」HP→http://www.yawata-bunka.jp/syokado/event/#ev366

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松花堂昭乗、書画のたのしみ  -麗しき筆あと、愛らしき布袋-

市制施行40周年記念・開館15周年特別展の特設ブログです。 展覧会情報や展示作品紹介など、様々な情報を発信していきます。

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