思わずにっこりと…<作品紹介⑳>

SNSでもお伝えしていましたが、今日は二十四節気で「大雪」。先日より、紅葉の季節が過ぎてそろそろ冬がやってきたのかなぁと感じていましたが、暦の上でもついに冬の到来となったようです。

10月の末からスタートした特別展も、残すところあと4日となりました。関連イベントも、9日(土)に開催するギャラリートークのみ。残りの日数の中でどの作品をご紹介するのか、選ぶのが難しいところですが、厳選した作品を最終日までご紹介していきたいと思います!

今回取り上げるのは、「踊布袋図」(個人蔵)です。

頭に顔のサイズと同じくらいの瓢箪を乗せている布袋さん。トレードマークである袋と杖はどこかというと…杖は足元に置いたまま、すでに自分の後ろにあり、袋にいたっては描かれていません。瓢箪を乗せて歩くことに夢中で、どこかへ置いてきてしまったのでしょうか?


昭乗の描く布袋さんは、展覧会タイトルにあるように愛らしさが溢れているのですが、この布袋さんもまさにそのスタイルに当てはまります。中国・唐時代の伝説的僧である布袋さんですが、ここに描かれる布袋さんは、まるで幼い子どものようにとても楽しそうで、見ていて微笑んでしまう人が多そうですね。声が聞こえてきそうな無邪気さは、ずっと見ていられる気がします。

本作品は、美術館1階ロビーに設置している布袋さんパネルにも使用しているのですが、美術館に入ってきてパネルを見つけた方から「可愛い!」という声が多く聞こえてきました。きっと、昭乗がこの作品を描きあげた当時から現代にいたるまで、時代を問わずたくさんの人が同じような感想を抱いてきたのでしょう。この作品に賛を付した玉室宗珀・沢庵宗彭も、最初に作品に向き合ったときには、にっこりと微笑んだのではないかなぁと想像してしまいます。またこの可愛らしい布袋さんを描いている時、昭乗はどんな表情で、どんなことを考えながら手を動かしていたのだろう…と想像するのも楽しいですね。

満を持しての登場となったこの布袋さん。展示室で会えるのも、美術館1階ロビーで会えるのもあと4日です!ぜひ、会いに来てくださいね。きっと微笑んでしまうはずです。

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特別展「松花堂昭乗、書画のたのしみ-麗しき筆あと、愛らしき布袋-」HP→http://www.yawata-bunka.jp/syokado/event/#ev366

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松花堂昭乗、書画のたのしみ  -麗しき筆あと、愛らしき布袋-

市制施行40周年記念・開館15周年特別展の特設ブログです。 展覧会情報や展示作品紹介など、様々な情報を発信していきます。

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