今日は朝方からしとしとと雨が降っていて、お昼前になっても空を雲が覆うどんよりとしたお天気となりました。庭園の中を歩いていても吐く息が白く、ついつい歩くスピードが早くなってしまいます…が、足元にある万両や、膨らんできた椿の蕾をみると、季節の移ろいを感じて足を止めたくなります。そして、寒空のもとで早く綺麗に花を咲かさないかなぁ…と楽しみも増えてきますね。そんな季節感を常に感じられるのも、庭園の魅力だなと思います。
さて、そんな季節の移ろいを感じているうちに、特別展も今日を含めてあと3日となりました!作品紹介も残り3日。今回取り上げるのは、「布袋弾琴図」(遠山記念館蔵)です。
昨日のブログでご紹介した「踊布袋図」(細見美術館蔵)とともに、美術館1階ロビーで撮影コーナーに登場している布袋さん。「踊布袋図」は頭に瓢箪を乗せて楽しそうにしていましたが、この「布袋弾琴図」では琴を笑顔で弾いている様子が描かれています。
昭乗の描く布袋さんは、トレードマークの杖や袋を持たないことが多いようで、この作品でもついでのように横に置かれています。当の布袋さんはというと、まるで欲しかったおもちゃを手にした子どものように、琴を抱えて嬉しそうです。機嫌よくぽんぽんと弦を爪弾いているようですね。一体どんな音を奏でているのでしょうか。
今回の展覧会で展示をしている「布袋図」(個人蔵)、「踊布袋図」(細見美術館蔵)、「布袋弾琴図」(遠山美術館蔵)は、どれも本当に”愛らしい”という言葉が似合います。中国の作品にも日本の作品にも多くみられる布袋さんですが、これほどに愛らしく、見ているわたしたちに微笑みを与えてくれる布袋さんは他にいないのではないか…と思うほどです。この可愛らしい布袋さんの絵がほしい!と思った人は当時から多かったようで、昭乗風の作品もたくさん存在しています。それほどに、本当に愛されていたんですね。
この愛らしい布袋さんが3つ並んでいる景観も、あと3日です。寒い中おでかけするのはちょっと大変ですが、ぜひ展示室でこれらの布袋さんと対面して、ほっこりと癒やされてくださいね。
そして、明日は最後のギャラリートークを開催いたします!午前11時から、展示室にておこないます。参加申込は不要ですので、ぜひぜひご参加ください!
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特別展「松花堂昭乗、書画のたのしみ-麗しき筆あと、愛らしき布袋-」HP→http://www.yawata-bunka.jp/syokado/event/#ev366
展覧会の感想や、美術館1階の布袋さんとの撮影コーナーでの写真など、ぜひ「#松花堂昭乗展」のハッシュタグをつけてSNSでシェアしてください!お待ちしております。
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